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最近、高度ISDB-T次世代放送システムの標準化にともない、日本は地上波放送において新しいフェーズに向かっています。2025年3月に電波産業会(ARIB)から承認を受け、日本放送協会(NHK)が主に開発したシステムは、音声コーデックにMPEG-H Audioを用いて、4K/8K放送と最大22.2chの没入型サウンドに対応するよう設計されています。今回の選択は、より柔軟で自分好みのオーディオ体験への幅広い関心の表れであり、言語の切り替えや音声エレメントの調整ができます。日本の放送方式独自の22.2ch音響システムなら、高度な音声システムであるMPEG-H Audioのすべてをお届けするのに最適です。
2027年頃に開始が見込まれるサービスにMPEG-H Audioを採用したことで、日本は、ブラジルや韓国などで見られるグローバルな成長トレンドと立場を同じくしています。スケジュールと展開戦略は流動的ではあるものの、日本のこうした動きは、没入感と順応性のある放送技術に向けた継続的でグローバルな変遷を示唆しています。
2022年以降、NHKは日本の四つの主要都市(福岡、大阪、東京、名古屋)で高度ISDB-Tシステムの大規模な実証実験を実施しました。実証試験は、送信所にある現行ハードウェアを使用して、次世代地上デジタル放送用に設計されたシステムの実現可能性を検証するものです。階層伝送を通じて、固定受信用の8Kサービスと移動受信用の2Kサービスの両方を同時に提供できる能力が放送システムにあるかどうかを確認するように計画されました。両方のユースケースで、MPEG-H Audioは双方向体験の提供に使われました。具体的には、主要伝送用に22.2ch音声と4つのダイアログトラック、移動受信用にステレオと2つの追加ダイアログ・エレメントです。
市場への浸透を進め、多数のアプリケーションの選択肢を模索すべく、NHK テクノロジーズ社とSpin Digital社が共催し、3Dオーディオによる複数の場所を繋いだコンサートの 8Kライブストリーミング を実施しました。このプロジェクトは、Spin Digital社の8Kライブエンコーダとプレイヤーを使用することで、公衆インターネット上で、MPEG-H Audioの22.2ch没入型サウンドによる8Kコンサートの伝送を実現できました。結果として、AWSクラウドと公衆インターネットを用いた8K映像ライブストリーミング配信システムの展開にも貢献しました。